今年一年振り返り⑧Dミリガンの客

11月~12月

劇団6番シード

「D・ミリガンの客」

シアターKASSAI

今年の締めくくりは劇団本公演。64回公演だそうです。すげーっすよね(笑)

この演目を劇団でやるのは初。2年前に大阪で上演し、「こんな面白い本を眠らせていたのか!今劇団員とやりたい!」と思ったのがはじまりでした。

とはいえこの脚本は難易度が高かったなあ。少人数であり、それぞれに超長い一人芝居があり、独特の世界観であり、と、なかなかに骨のある本でした。だからこそ、劇団員と松田さん、扇田さんという大人の座組でひたすら試行錯誤した稽古は充実しまくってたなあ。デッドリーの時演出が冴えてたみたいなことを書きましたが、このDミリガンは別の意味でしっかりと演出できたと思います。別の意味というのは、なんて言えばいいのか、奇をてらわず、ただただしっかりと作品やキャラクター、台詞や世界観を役者と煮詰める作業ができたというか。

だからというと違うと思うのですが、地味なんですよね、今日びこの感じ。でもこういう物語をしっかりやろう、しっかりやれる劇団でいようというのは、劇団員とも日々話していることでした。年明け2月の番外公演で島崎が4人芝居を企画したり、さっき書いた3人芝居だったり、こういう物語の作り方は原点として持っておきたいなと思うものです。

キャラで言えば土屋演じたセールスマンが印象に残っている。ツッコミや回しのようなこともやりながら、世界観を崩さずというのは、これまでの歴代セールスマン(山田能龍さん、福地教光さん)にも言ってきたことで、それが本当に難しい役なんですよね。バランスのとれたボール回しが必要というかね。宇田川のシスターとのバランスもよかったですね。いい仕事。

バーテンの藤堂は新境地だったのではないか。けっこう新人並みにダメ出ししたな(笑)抑えた演技、ひきつける演技の難しさと楽しさを知ったんじゃないかな。

私も演じたカレー役。このカレーという役をイメージした時「役者さんじゃねえな」と最初に思ったんですよね。究極その辺を歩いてる素人さんを連れてくるみたいな(笑)それで演出家である扇田さんに白羽の矢を立てました。私が出演することになったのは、そういう役者じゃない人を探していたというのと、ほぼ劇団員の公演という面白さが増すんじゃないか、という私と劇団員の意見が一致したから。いつもは「出るなよ」って怒られるんですけどね(笑)

単一演目で少人数キャストのセミロングランに挑みました。たくさんのお客様にご来場いただきましたが、当初イメージしていた目標来場数には届きませんでした。なかなか難しいなあ〜簡単にはいかないな〜(笑)
6番シードを知らない人にも、演劇を知らない人にもこんないい作品があるよ、と知ってもらいたい、輪を広げたい、と思ったのですが、なかなかすぐにぱっとはいかないですね。24年やって小沢さんじゃないですが日々勉強ですよ。2018年の12月には1か月ロングランにチャレンジしますし、もっと新しい人にも知ってもらう努力と面白い作品を作り続けたいという想いを強くしました。でも確かな手応えは感じました。25周年を控えたこの時期に、このメンツでこの演目をやれてよかったと思っています。

今年一年振り返り⑦No N ame〜私達ズルい女〜

10月

UDA☆MAP Plus+

「No Name~私達ズルい女~」

スタジオBLANZ

宇田川美樹、高橋明日香、梅田悠の三人芝居。新作を書下ろしました。この三人で芝居をやるというのが決まった時、もういろんなことがやりたくなりましたね。コメディもやりたい、重厚な会話劇もやりたい、などなど。だから欲張ろうと思い、3つのオムニバス作品にしました。

第一話「ズルい女」

高橋明日香主演。執行猶予中のシングルマザーがなぜまた同じ罪を犯してしまったのかというまさに重厚な会話劇。これは昔、実際に裁判を傍聴した時に見た事件をモチーフにしました。パート先の同僚の財布からキャッシュカードを盗んでお金をおろし、そしてまた再犯してしまった女性、そこにどんなドラマがあったんだろうかと。

あすぴーこと高橋明日香さんにはこういうやつやってもらいたいなあと常日頃思ってたんですよね。冒頭5分くらいある台本では40行ある長台詞はそうとう苦労してましたね。ただの悪人ではないというのが難しく、同じ職場にいそうな、隣人にいそうな、平気で嘘をつく弱い人、を好演してもらいました。案外に最後はかわいそうになったといった同情的感想が多くて面白かった。あと同僚役を演じた梅田さんの超抑えた演技を評価する人が多かったな。ずっとボソボソ喋る、これまたどこにでもいそうな人物だけど難役でしたね。二人は勉強の為に裁判に傍聴に行ったそうですよ。

第二話「メイワクな女」

梅田悠主演。中国で迷惑メールを送り続ける女と、日本でそれを受け取って返信してしまう女の物語。コメディタッチですが、どんでん返しのラストは僕っぽくていいよね、気に入っています。

とにかく台詞量が多くて早い。これもまた苦戦してましたねえみんな。あ、宇田川さんは台詞ゼロの役だったので楽しんでましたけどね(笑)このイイネ君すげー評判よかったなあ、またどっかで使えないかなあ(笑)

梅田さんは一話のネガキャラから一気に関西弁の豪快陽気なネエチャンに。このギャップもこういうオムニバスの醍醐味ですよね。高いテンションのまま起承転結をつくる、とか松本高速コメディ的演出をした記憶があります。彼女はこの公演でぐんと成長したと思います。

第三話「ケサレた女」

宇田川美樹主演。これ、かなりの異色作となりました。雨の夜「No Name」という名のバーにひとりの女が現れ…という現代の寓話的スタート。そこからナイフを持った女が現れ、ひたすらループしていく中で名前を忘れてしまった主人公が自分のことを思い出していく、といったストーリーでした。

まるで細川(博司)ワールド!書きあげるまではそんなこと思ってなかったのですが、書きあがったら「これ細川さんやん!」って(笑)

1話、2話とまたまったく違うテイストで私はとても気にいってる短編のひとつとなりました。

これら3つの話を国境沿いのモーテルにいる犯罪者3人のショートエピソードでつないだという今作、脚本家として3人の女優を使ってやりたいことやりまくった公演といっても過言ではないですね(笑)

囲み客席で観客が近いライブ感のある演出も役者も観客もしびれたんじゃないかなあ。3人芝居なんてなかなかやれる機会はありませんが、またぜひこういうの、やりたいなあ。

高橋さん梅田さんとは「また3人同じ現場になるなんてことすぐにはないでしょうね」なんて言ってたら1月上演の「ゼロヨンヨンの終電車」ですぐ揃うというミラクル(笑)

なんというか、運命というか盟友というか(笑)

今年一年振り返り⑥映画Dプロジェクト

映画Dプロジェクト

2月「UDA編ヒグチ君編」上映会

5月~7月「オザワ総理編」撮影

8月「オザワ総理編」上映会

11月~「シーナ編クリュウ編」撮影

今年は一年を通じてDプロ三昧な一年と言っても過言ではありませんでした。舞台を終えると撮影か上映会が待っている感じ。多忙でしたが幸せでした。

2月の上映会をぎりぎりでしたが目標達成して終え、5月の撮影へ。つまり、

上映会終わる→人生ガムテの稽古、本番→千秋楽翌週から撮影

とこんなスケジュール。撮影初日はオザワ総理の緊急記者会見のシーンで、映画全体の撮影としてはちょうど折り返しでしたが、P的立場の私はなんだか終わりが見えてきたような気がぐんとして、嬉しかったような寂しかったような気持ちになったのを覚えています。撮影をあと2日に控えた今になって思えば超気が早いんですけどね。

舞台だと脚本家が最初に仕事を終え、次に演出家がまあだいたい稽古場や場当たりで仕事を終える。つまりは実際演じる役者さん達現場でオペレーションするスタッフさんよりは先に終わった感慨が来るんですけど、映画は順番が全然違いますね。たぶん5月に感じたそれは、脚本家の部分と、8月の上映会はまだ残ってましたが、2月の上映会で達成してちょっと安堵したP的部分でしょうね。その後11月からの撮影で順次キャストがオールアップしていき、撮影クランクアップになった後もスタッフさんや監督は編集ポスプロなど完成まで奔走する。今現在、樋口、藤堂、宇田川、栗生などがオールアップとなっています。残りは俺、椎名、土屋、小沢さんかな。

5月に撮影して8月に上映会をした「オザワ総理編」はまさに芝居場、重厚なシーンの連続でした。印象に残ってるのはオザワ総理とUDAが対峙するシーン。シーンとしては警視庁地下収監室、みたいなシーン名だったのですが、監督は何もない殺風景な倉庫のようなロケ場所を選び(この発想に痺れた)、照明は二人へトップからのスポットライト。暗闇に二人だけが浮かび上がるようなその画はかっこよかったなあ。二人の演技も緊張感があり、脚本家として一番こだわったと言っても過言ではなかったシーンなので、完成を見てしびれた。

そして8月の上映会はこれまでのメイキングだけじゃなく、トークショーや本編コメンタリーなど新しい試みもやりました。自分的ベストイベントは、撮影部のホーリーこと堀田さんとヤギシタさんに登壇頂いてその場で演じてその場で撮影してその場で見るというもの。これは面白かったなあ。カメラワークでこんな風に芝居が違って見えるというのを生で体感できる稀有なイベントだったと思います。シーナ編クリュウ編の上映会でもやりたいなあ。

そして上映会で目標達成させて頂き、ついに、ついに!最終章「シーナ編クリュウ編」の撮影が始まりました。これまでロケ地スケジュールなどなどの都合ですでに撮影済のシーンもかなりあったのですが、それでも撮影シーンは多く、規模も大きい。11月11日12日の高崎の撮影は、かなり大規模なものとなりました。印象的だったのはそこで第一弾のトウドウ編ツチヤ警部編からずっと出演してくださっていたSATの高八さん、岡田さん、山本さん、田中さんがオールアップになった瞬間。高八さんが「こんなおじさん4人で頑張ってこれてうれしかった」みたいなコメントをされてちょっと泣いたよ。

そんな感じでどんどんオールアップになっていく日々。小さな劇団のPVから始まったこの企画が、本当にたくさんの方々のお力で、まもなく、もうまもなく、オールアップとなろうとしています。もちろん完成まではまだまだ道のりがありますが、感謝の言葉を言っても書いても足りないです。最高の作品にしてその皆さんの想いに答えたいと思っています。

「シーナ編クリュウ編」の上映会は4月の予定です。日程が決まったすぐお知らせしますのでお待ちくださいね。

そしてこないだ、ベトナムに行ってきたぞ!

ネタバレだから何も話せないけど、この映画のスケール感を出す為に海外ロケしたいですねと監督と話していて、(自腹ですが)実現しました!

このベトナムロケの様子をDVDにして別途上映会までにイベントできたらなあと思っています。お楽しみに!