告知「松本陽一が脚本のすべてを語り尽くすトーク&セミナー」第二回開催!

昨年やって好評だった、
「松本陽一が脚本のすべてを語り尽くすトーク&セミナー」
を今年も開催したいと思います。これは文字通り、私がひたすら脚本について語り尽くすもので、トーク&セミナーとしていますが、そんなに堅苦しいものではありません。
脚本に興味がある方、脚本はどんな風にして書いてるんだろう、といった興味のある方ならどなたでもご参加頂けます。もちろん脚本を書いてみたい、勉強したいという方にはそれなりにノウハウを提供できますし、俳優さんが聞いても役に立つ内容だと思います。
前回は物語の構造系の話でタイムオーバーになってしまったので、今回は台詞の書き方や細かいギミック、アイデア、みたいな方面を掘り下げられたらなと思っています。
第二部は映画監督の山岸謙太郎さんをゲストにお招きして、映像や映画のシナリオの世界を掘り下げていきます。

「松本陽一が脚本のすべてを語り尽くすトーク&セミナー」

劇作家・脚本家・演出家の松本陽一による脚本セミナー第2回を開催します!面白い物語作り方、脚本の構造、題材の探し方、伏線回収のコツ、などなど、普段なかなか聞くことの出来ない作家のテクニックや裏側を完全公開!実際に上演されたテキストを使って、トーク&座学形式で物語作りの極意に迫ります。ものつくりに興味のある方、演劇や映画をより深く楽しみたい方、俳優やクリエイター志望の方など、幅広く学べる内容です。

○日時
3月15日(日)
第一部…14時〜16時
第二部…16時半〜18時半

1. 第一部 14時〜16時
《上演台本から学ぶ脚本家の隠れたテクニック》
使用予定台本(予定)
「未来切符」「なまくら刀と瓦版屋の娘」「沼田☆フォーエバー」「KAIRO(細川博司脚本)」他

・台本は1ページ目が大事(世界観の立ち上げ)
・伏線の貼り方、回収のコツ
・一行の台詞、読む解く鍵は10ページ前にあった?(台詞の持つ意味、置き方、並べ方)
・演劇の台本は映画の編集のように繋げる(観客の想像力の誘導)
・俳優はどのようにして脚本を具現化するか。

1. 第二部 16時半〜18時半
「作家VS作家トークショー」 ゲスト…山岸謙太郎(映画監督)
映画「ディープロジック」「三十路女はロマンチックな夢を見るか」の山岸謙太郎監督をゲストに迎え、作品作りの苦悩やノウハウ、ハリウッド映画など題材に脚本構造を読み解く意見交換などをトークショー形式で行います。
・映像脚本と演劇脚本の違い。映像演出と演劇演出の違い。
・ハリウッド映画のシナリオを読み解く。(映画「ジョーカー」「パラサイト」など)
・脚本に社会性(時代を切り取る力)は必要か。
・売れる作品と作りたい作品。

第二部終了後に松本陽一、山岸監督を囲んでの懇親会を開催します。物語について、脚本について、自由に語り合いましょう。
※参加は自由です。懇親会参加費は実費となります。

○場所
小松川さくらホール・集会室4
江戸川区小松川3−6−3(都営新宿線東大島駅徒歩10分)

○参加費
1部2部通し参加…4500円
各部のみ参加…2500円
※各部30名まで。定員になり次第締め切らせて頂きます。
※懇親会参加費用は別途実費となります。懇親会のみのご参加はできません。

○お申し込み
2月24日(月)22時より、カルテットオンラインにてご予約開始。
※懇親会にご参加を希望される方は備考欄に「懇親会参加希望」とご記入ください。
※コロナウイルスなどの社会情勢により中止、延期となる場合がございます。予めご了承ください。

水曜コラム⑤「六番寄席」2週連続公演振り返りってすごいな

2週連続の公演振り返り。

先週舞台「KAIRO」の最速振り返りをしたのですが、千秋楽翌日に別の劇場へ行き、仕込みやリハをしたのは初めての感覚でした。つか演劇人生で多分初めてです。

六番寄席。

という劇団イベントを先週末の土日で開催したのですが、これがなかなかの、なかなかじゃないな、相当だな、相当なボリュームで、イベントというよりひとつの公演、ひとつの公演というより、(毎ステージ違うものをやったので)みっつの公演を終えたような心持ち。終演後は皆、戦場から帰還した兵士みたいになってました。お疲れみんな!お疲れ俺!
うちの劇団は「楽しいこと全力でやろうぜ、いくつになっても子供みたいにはしゃごうぜ」という社訓のようなものがあるのですが、社訓はないのですが、そういう考えがみんなにあって、楽しくワイワイ企画しているうちに「こ、こりゃ大変だぞ」となり、でもダウンサイジングなんてかっちょわりいぜ、とばかりに全部盛り込んだらこんなイベントになりました。てへ。

おかげでお客様にもずいぶんと楽しんでもらえたようで何よりです。ゆるめのイベントもいいですし、そういうのを楽しむ方もいらっしゃいますから、どっちが一概に良いとは思いませんが、楽しいことに全力である劇団という矜持は大事だなと思いました。こういうイベントもあり、ゆるめもあり、みたいなことがいいんだろうな。毎回だと肩こるし、僕らには本公演というガチンコがあるからね。

元々は「わし、落語やりたいんだよね」という一言からだったらしいです。で、やりました落語。古典落語「粗忽長屋」にチャレンジしたのですが、奥が深いですねえ。感想を聞くと喜んでもらえたようで一安心。山岸監督から「談志師匠の完コピだ」とお褒めのツイートをいただきましが、まさに談志師匠が好きで、いろんな粗忽長屋を聞いたのですが、やはり談志さんで行こうと。実際耳で聞きながら喋ってみたら、クソ早いのね。おそるべき早さ!それをコピろうと早口でやった部分が「聞き取れなくて笑えなかった」という感想を聞いて、やっぱ一朝一夕に出来る芸じゃないなとしみじみ。あと「すごい緊張が伝わって」という恥ずかしい感想を複数の方から頂いたのですごい緊張してたんでしょうね。あんまり自覚ないんですけどね。でも小劇場落語会のようなものはやりたいな。今回参加できなかった石部さんの落語も見てみたいなあ。

初日は演芸の回ということで、椎名と浮谷くんが漫才をやりました。漫才ってとにかくハードルが高い。イベントだからグズグズでも許してね、みたいなことは両人も思ってなかっただろうし、素晴らしいクオリティだったと思います。イベントの他の演目も、例えば小沢さんの弾き語りとか、拙いけど想いが伝わる内容だったと思います。これ大事だよね。

椎名浮谷の漫才。藤堂宮島の殺陣コント(これわし大好き。中身どうでもよくなるあのバカさ)。土屋藤堂図師のロングコントなど、シナリオは全て演者である彼らが考えました。殺陣コントは藤堂が、ロングコントは土屋がシナリオ考えたそうです。日曜昼回の歌ライブといい、贔屓目なしにみんな多才だよね。と戦場のようなリハを見ながら尊敬しましたわ。椎名の縦笛の狂い弾きが僕は好きでして、今回も入れてほしいとリクエストしました。

そして樋口脚本の短編舞台「或る家族の物語」を上演しました。樋口の自伝的な話らしいですが、30分で見せていく流れや、僕が気に入ってるのは鳩時計の死かな、そういった樋口センスが随所に光る本でした。前説で言いましたが「誰でも一作は傑作を書くことが出来る。人生という名の作品を(詠み人知らず)」と言いますが、これはそういう一発ものじゃないなと最初に読んで思いました。もしその気があるならまた書いてみればいいと思う。

本当なら樋口に(演じた劇団員にも)じっくり時間をあげて仕上げられたらよかったのですが、書いてるようにとにかく戦場のようなリハ、演目数だったので、稽古は実質2日、十時間程度でした。それもあって私は演出助手としてでしゃばりまくり仕切りまくりで、短い時間で作品を仕上げるノウハウを駆使しまくりました。元々樋口とも演出は共同でみたいな話をしてて、やってみると樋口が予想以上に凛としてたので、出来るだけ物語根幹に関わる演出はやってもらおうと。ということで演出助手って実は初めてやったかも。裏側で黙々とやる職人感が好き。役者さんの芝居の生理を見ながら場面転換のキューを決めていくみたいなね。時計の音がチチチチチと鳴る場面転換が印象的だったと思いますが、いつ入れて、いつ消すか、を細かく何度も返す時間がないので、「図師くんと宮島さんが目を合わせて図師くんがふっとそらしたら時計イン」などと台本にメモっていきました。こういうの楽しいんだよなあ。俺の仕事渋いぜ、みたいなね笑。

結局演出助手の思い出みたいになっちゃいましたが、私的一番はやっぱ落語ですね。和服も「絶対買ったほうがいい」と藤堂に言われて上から下までまとめ買い。藤堂に着付けてもらって舞台に上がりました。あれ背筋伸びますね。創作落語(というほどのものでもないけど)「ドーハの喜劇」は楽しく喋ることが出来ました。

こういうガッツリ系?のイベント。ちょうちょいは難しいですが、年一、も難しいカモですが、ちょいちょいやって行きたいなと思った寄席でございました。次回を気長にお待ちください。

水曜コラム④最速!舞台「KAIRO」公演振り返り

舞台「KAIRO」終演しました!今その打ち上げに向かう電車で書いています。公演の振り返りは毎年年末にやってるのですが、電車が大塚に着くまでの時間で、書けるだけ書いてみよう笑。

僕は脚本と演出をやることの方が多いですが、今回は演出のみ。脚本は、盟友(と勝手に呼ばせて頂く)の細川博司さんでした。細川さんの本を演出するのも久しぶり。

演出だけやる時の僕は、おそらく最初は雑にホンを読みます笑。ざっくり読んだり、役者の声を聞いたりしながらチャンネルを合わせる?探る?ようなところがある。このホンのど真ん中はなんだろうなと考える。

僕はこのセリフだったのではないかと思うんですね。
芥「リンデンバウムのような神様(コンピューターが意思を持つこと)は、そう珍しいことではないのですよ」
乾「それを信じる方が時代遅れだ」

すみません、台詞は正確ではないです。これがこの超未来と謳った物語の、脚本が示したその先の面白さなんじゃないかと思いました。その先というのは、こういう人工知能ものの新しい提示の仕方、といった作り手、書き手側の意味もありますし、人工知能が暴走したら怖いねっていう現代起こりえそうな話のその先といいますか。だから超未来と言ってますが、近い未来の物語のようでもありますよね。近未来。そういう感想も頂きました。
ひとつ、現代性とのリンクをどれくらいにしようかと悩んだセリフがありまして。

椿「このままいけばみんなネットに繋がれて管理されてたって訳だよ」

クライマックス前、リンデンバウムの真相を語ると言ったシーンです。物語中では「電脳ネット」という言葉が沢山使われていて、ここも「電脳ネット」にした方がいいか、椿役の瀬戸さんと色々悩んだものです。ネットだと現代感が強いんですよね。でも脚本はここだけ「電脳ネット」ではなく「ネット」になってる。どれくらい現代とリンクするか、肌触りを感じさせるかの重要な部分ですが、結果電脳はつけずに上記のセリフのままで行きました。

肌触りというのは役者の演技全般に求めたものでもあります。こういう設定の物語はどうしても設定勝ちになりがち。「未来の世界は分かったけど、で?」みたいな感想をもらいがち笑。
わかりやすく言えば人間ドラマです。強い設定や特殊なあれこれに負けちゃうんですよね。今回は音響や照明を結構強め派手めに行きたいと思ってたので、より一層役者の演技や感情がくすまないように、これは繊細に演出したかな。演出したというよりは役者さんと一緒に作り上げたと言っていいでしょう。
最初に僕は台本を雑に読むと書きましたが、役者さんはそうは行きません。難しい単語や難しいカタカナ用語も、理解しないと言葉として発することが出来ませんし(できますけど、浅くなりますし)、砂漠都市「KAIRO」という場所はどんなところでどんなものを食べて、といった想像、もはや創造、そして時間軸が行き来するストーリーの理解など、今回は稽古場でここはじっくりと焦らず時間をかけました。僕は割とせっかち系の演出家かなと思ってるのですが、今回は、待った。一緒に考えた。一度それで稽古場がカオスになりましたが笑、演出家も正解は知らないよというメッセージの元、キャストが皆掘り下げ、作り上げてくれたものが、そう言った人間ドラマに繋がったのではないかと思っています。ウロボロスの意味を千秋楽前日に細川さんに聞いちゃった笑。そこは調べろよ。

演出としてはダイナミックにしていった感じかなあ。そんなにエンタメ作品にしようと思って始めてないのですが、出来上がってみたら結構なエンタメになったなあと思っています。
まずは美術と照明でしょうね。超立体舞台とあのLED照明ですね。照明さんが「舞台美術が強いのでシンプルな照明で行きましょう」と言っていたのが印象的。
地味に演出カラーを決定づけたのは「広く使う」だったかも知れません。細川さんの映画のような脚本は演出用語で言う「エリア芝居」が向いているし、それがより映画っぽさを出したりもします。
今回もそんな感じかなあと思ってたのですが、世界を広げたり、役者がダイナミックに動いた方が感情が出る出る理論(諸説あります)で、あの立体舞台を使ってどのシーンも大きく広げて演出したように思います。
あと音楽はノーラン節(クリストファーノーラン)だったかなあと。解放戦線の東がリンデンバウムに乗っ取られそうになるそれぞれのシークエンス(上記椿の語りもここ)を壮大な一曲でガンガン行ったのは大変気にいっている演出だし、あんまりやったことない形でした。

おっと電車が大塚に着きそうです。まあまあ書けたな。
ご来場心より感謝です。

色々無事に終わってよかったよかった。こういう奇跡は何度あってもいい。それは奇跡とは呼ばないね。人の力です。