今年一年振り返り⑩「劇作家と小説家とシナリオライター」後編

「劇作家と小説家とシナリオライター」続き。

キャストは全部で39名。これだけのキャストが揃ってくれたのも、25周年の財産かなとシンプルに思います。ほぼキャストが決まってきたあたりで、オーディションもやろうと思い立ちました。これまでもオーディションから新しい出会いがあり、今回で言えば阿部、菅野、渡辺といった人達と今回こうやって再び芝居を作るきっかけもオーディションだった訳です。これはやって良かったですね。こうやってベテラン、常連から、新人、6C初めての方というバランスの良い座組になったと思います。しかも3チームって!ABCみたいな交互公演ではなく、今回のようにAを11ステージ、そしてB、Cという公演形態は劇団員の(わりと総意の)アイデアでした。きっとひとつひとつの座組、チームを大事にしたかったんだと思います。そしてそれはお客様の評価もよく、たくさんの良き化学変化を生みました。初日まで3週間空いたCチームは最初申し訳ないなと思いましたが、すごい熟成、発展がありましたね。

トリプルキャストだけど、全然違うという感想をたくさん頂きましたが、演出ではそこまで意識しませんでした。稽古始まってすぐに、「あ、これ全部違うものになる」とすぐ感じたからです。ことさら他チームとの差を出すのをむしろ嫌ったかも知れません。Bチームのアドリブ追加もギリギリ笑。唯一ロングランのラストスパートとして、Cチームの冒頭ラーメン屋のくだりだけ脚本変更しました。

チームの違いといえば、図師君、エリザベスマリー、高橋明日香が演じたゼロ、マイナス、プラスですよね。
あの、今だから言いますけど、これ、ノリで決めたんです。

キャスト配役発表に、ひとつだけ違う名前のキャラいたら面白いなって。本当にただの勘というか、劇中のシナリオライターの台詞「劇作家さんのいつものやり方です」ですね。てへ。
そしたらお客様が盛り上がってくれて「これ3つともエンディングが違うんじゃないか」とかってツイートを見て「はわわわ、どうしよう」と思いました。てへ。結果キャラクター演出に反映したものになりましたが、自分的にはちょうど良かったかなと思っています。マルチエンディングにはならなくてごめんちょ。

1ヶ月ロングランは、思ったより早かったですね。結果毎日劇場にいましたし、33ステージほぼ見ました。2ステージくらい楽屋で仕事してました笑。ケ長としてケータリングを毎日作ったのはさすがに飽きてきましたけどね。皮を剥くのと米を研ぐのがもう笑。キャストも手伝ってくれましたね。ロングランが誰も風邪引かず、疲労で芝居が崩れることもなく行けた一助にはなったかなと思います。まずはそれをやらせてくれる劇場に感謝ですね。

ロングランと言えば毎日、誘導や前説に他チームの応援が来てくれたのは本当にありがたいですね。不思議なもので、自分のステージは終わっても(始まってなくても)やっぱ自分の公演感はずっとあるみたいですね。特に石田太一君、阿部君、わたさきに感謝ですね。大千秋楽の前説で阿部君が高らかに「最後までごゆっくりお楽しみください!」ってキメた時ちょっと泣いたのはここだけの話。

とにかく素晴らしい公演になりました。そして来年からもっともっと面白い物語を作りたいとワクワクしました。

関わってくれたすべての方に感謝を。
そして今年一年、25周年ありがとうございました。
良いお年を!

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今年一年振り返り⑩「劇作家と小説家とシナリオライター」前編

さあいよいよ振り返りラスト!

今年一年振り返り⑩
劇団6番シード結成25周年記念公演第3弾
「劇作家と小説家とシナリオライター」

先日閉幕した1ヶ月ロングラン公演。25周年の締めくくりにかなりの大博打公演でしたが、劇団過去最高動員記録を更新し、大盛況で終えることが出来ました。良い年末です。

この作品は何から語ろうかなー。脚本は最初からチャレンジな作品になるだろうなという予感はありました。タイトルを思いついて(あ、タイトルの評判はすごく良かったですね。タイトルが気になり観に来たという方が多数いましたね)、3人の作家がひとつの物語を作る、それだけじゃつまらないだろうと。あととにかくヒューマンドラマにしたかったんですよね。冒頭で登場人物達が銃を構え「あ、なしです」みたいなことをずっとやっていけばかなりのコメディにすることも出来たと思うのですが、25周年とか、私のこれまでの集大成みたいな意気込みがそうさせたのかなあ。

だから、横軸の作家達のドラマが、縦軸とまったく繋がらない状態でストーリーが進んでいくんですよね。それがチャレンジな部分でもあり、難しいと言われた部分でもあると思います。

他にもいろいろあるとは思いますが、この「難解さ」というのは普段ほとんどやらないので、わかりやすい作家の私のチャレンジはちょうどいい塩梅になったのかなと、感想を読みながら思いました。私はハッピーエンドが好きだし、わかりやすく物語を届けるのを身上としていますが、わかりやすくて難しい、はアリだなと思った次第です。

あと作家達の物語なので、とにかく私小説的にならないようにとは思ってました。松本自己満作品にならないようにと言えばわかりやすいですね。
その心配は杞憂でしたね。まず、ザッツ俺になりそうな劇作家役を土屋にしたこと。そして男中心の劇団、同輩と旗揚げした劇団、熱い物語を書いている、など僕じゃない肉付けをしたら、ホントこの人熱くてかっけーなーみたいに客観視して書けましたね。いろんなところで書いたり言ったりしましたが、土屋はザッツ役者ってやつなので、そういう奴が作家役をある意味研究して役作りしたというのも良かったのではないかと思います。

むしろ私は椎名演じたシナリオライターのほうが近いかなあ。情感型より理詰め型というほうが近いです。そのシナリオライターが宇田川演じるドラマプロデューサーに言われる「時間、なかったのかな。書き直しましょうか」は本当に過去私がドラマプロデューサーさんから言われた台詞です。笑顔でね、優しい口調でね、自分の才能のなさに死にたくなりましたよ笑。本番では慣れましたけど、稽古場でその台詞を聞くたびに胸がキューってなりました。

その直後の「リサーチで終わりたくない、セカンドで終わりたくない、ママがこの物語を作ったって胸張りたい」という台詞も実際にリサーチからシナリオライターになった方のエピソードを使わせて頂きました。だからシナリオライターの台詞にはけっこう実話的な想いがこもってますね。

逆に私は小説を書いたことがほとんどないので、小沢さん演じた小説家のキャラ造形は苦労しましたね。あとまさに活字の世界なので舞台表現としてやりずらい、もありました。
まずはアルバイトしているという設定。小説家に限らずですが、一度ヒットしたから一生食えるというような世界ではありません。まずはそのリアリティを乗っけました。ただキーアイテムとかと同意語になるのですが、キー台詞、みたいなのが欲しいなと思いました。そこで出たのが「きれいな言葉を使いませんか」という台詞。最初はちょっとベタすぎかなあと思ったものです。小説家イコール言葉、って!みたいな。ただお客様の感想でこの台詞に関してのものがすごく多かったですね。炎上とか、SNS時代の言葉の汚なさ、みたいな時代性がアナログな小説家の雰囲気と相まって響いたのかなあと思います。小沢さんにはけっこう細かく演出した記憶が。「ただ上を向いてうなるのは実は作家っぽくないですよ」とか。この作家役の3人には作家あるあるとか、たくさん言いましたね笑。稽古場で実際演じてみせたらまんま普段のお前やんってなって、この時間何?みたいになりました。

宇田川さん演じたドラマプロデューサーもこだわったキャラクターです。皆さんのイメージでドラマプロデューサーって視聴率とかお金とか六本木で飲んでる、みたいなイメージありません?最後のは余計か笑。僕が一緒に仕事したプロデューサーさんは本当に物語ファーストで、それぞれに独自の研究し尽くしたロジックや信念がある方ばかりでした。ジャニーズの誰それを使うからとか、スポンサーがどうとか、そういった台詞は一度も聞いたことがありません。そして物語に関してめちゃくちゃ厳しくてめちゃくちゃ粘ります。もう勘弁してくらい粘ります。それをあのキャラクターに投影してみました。宇田川さんにも「ただ怖いだけのステレオタイプのPにしないで」と演出しました。いいバランスで演じてくれたなと思います。

藤堂演じた編集者も同様ですね。一度漫画の編集者さんと仕事したのですが、その方もDP同様に物語に関してすごい造詣と意思を持ってる方でしたね。

ええと、一番身近なはずの舞台監督のキャラクターは…

あんな人いません笑

全国舞台監督協会に訴えられるレベルに嘘です笑
まさにコメディリリーフというやつ。しかしピンポイントにリリーフしてくれた樋口や、宇田川藤堂の会話など、劇団員がしっかりとキャラクターやシーン意図をやりきってくれたと思います。

うわー長くなった!後編に続く。

今年一年振り返り⑨劇団文化祭「天気と戦う女」

あと2つ!

今年一年振り返り⑨
劇団文化祭in大阪
「天気と戦う女」

様々な劇団が短編を持ち寄り、まるで文化祭のタイムテーブルのごとく、1日に何作品も上演する企画の第一回。実行委員長は島崎翼でした。この前後がひたすらに忙しかったこともあり、あんまり覚えてない笑。演目も椎名の十八番と言っていい作品で(4回目かな?)すげー細かく演出したというより、まさに文化祭感覚で楽しもうと思った記憶があります。稽古は1週間。他団体にもゲスト交流するので役者さんたちは大変だったろうな。

「天気〜」にはボブジャックから多数援軍が。それでも足りないので、「出れる人みんな出て!」みたいなはちゃめちゃさでした笑。稽古場も(東京組は)同じだったので、本当に文化祭みたいな気持ちになっていきました。

私もゲスト出演したのですが、たった2行の台詞が覚えられない笑。扇田さんや宇田川さんと舞台の上でワイワイやれたのは楽しかったです。

まさに劇シナの顔合わせを数日後に控えた超ハードスケジュール。空き日程も漫喫にこもるなど全く大阪を堪能できなかった笑

マウスピースリーの皆さんやキンヘビのお二人など、大阪演劇人との交流はやっぱり楽しいし刺激になりました。こういう他団体との交流公演をまたやりたいなと思いました。実行委員長の島崎翼始め、運営スタッフの皆さんがいつも以上に楽しそうだったのも印象的ですね。まさに文化祭とはいいネーミングを考えたものです島崎。

この劇団文化祭はまだ何回か企画してるみたいですよ。まだまだ先の話だとは思いますがお楽しみに。

舞台写真をずらっと。この作品は何度でも上演したいですね。

今年一年振り返り⑧傭兵ども!砂漠を走れ!

おせちの仕込みをしながら書いています。

今年一年振り返り⑧

6番シード結成25周年記念公演第2弾
「傭兵ども!砂漠を走れ!」

6年前に初演してずっと再演したかった作品。ついにやれましたおまたせしました。今回は劇場を新宿村LIVEに移し、かつ凸型に張出し、客席通路も使い、まさに劇場を丸ごと戦場にしようというコンセプトで演出しました。キャストも劇団員以外は総入れ替えでまさに新しい傭兵どもになったんじゃないかと思います。

今回はアグレッシブに演出した印象的だなあ。初演に出演していた増野君が演出助手に入ってくれたこともあって、僕は稽古場ではほとんど台本を開くこともなく、ずっと立って演出してました。その方が脳が運動脳になるというか、こういう動きの多い芝居には向いてる演出スタイルかも。ただこの時期は今年最大瞬間風速の忙しさで、何本か稽古を掛け持ちしていたので、ある日ズドンと疲労が僕に襲ってきたのを覚えています。
疲れがピークだった時にずっと立って演出していたわし。その時は集中していたので良い稽古ができたなんて思ってたのですが、「お疲れ様でした!」と終わりの挨拶をした瞬間、地球のGが急に変わったみたいに、ズドンと身体が重くなりました。まさに精神と時の部屋?みたいに。その日はキャストが焼肉に行くという話をしていました。こ、これは、肉しかない。肉を食えば治る、と思って焼肉屋に向かうわし。その道すがらで歯がガタガタ震え、体に悪寒が走りまくる。やべー速度で身体に何か来ていると思いながらも、とにかく肉だ!とほうほうの体で焼肉屋へ。いや、帰るべきだと分かってタンですよ。誤植変換だけどそのままでいいや。まさにタンを一切れ食べてギブアップ。家にかえってひたすら汗をかいたら、翌朝には治りました。あれがまさに過労で倒れるというやつかと実感しました。

話逸れすぎた。今回も原案協力・ガンアクション指導の細川伍長と一緒に凄まじいアクションシーンをつくっていきましたが、初演の時から今や日本一のガンアクション女優となった宇田川(私は本気でそう思っている)を始め、小川大悟君などガンアクションエキスパートがいたので、ガンアクション指導よりは、どうやってさらにダイナミックにみせるかということをずっと考えていたように思います。すごく逆説的な考えですが、その悩みを解決したのが「圧倒的なリアリティを積み上げる」ということでした。初演以上に嘘のない動き、ケレン味を狙わない演出を心がけました。オープニングアクトで派手に動いていますが、すべて細川伍長から教わった動きのみを組み合わせたもの。結果それが一番ダイナミックで迫力ある画になったんですよね〜。そんなリアリティを演者が積み上げる為に、本編では出てこない兵隊の行進練習とかもやりました。

役者さんではサバンナ編では鵜飼主水君が印象に残ってますね。元々華のある芝居をする人だなと思ってましたが、その誠実さというか姿勢というか、まさに良き若武者って感じでしたね。主水君演じるタフガイが伍長とぶつかり合うシーンは、主水タフガイの伍長愛が言外にあふれ出ていたので、元の台本の台詞のニュアンスを変えたり(いい意味ですよ)しました。

オアシス編では、ガクレキを演じた那海さんかな。不思議な佇まいの強さがあった。ゴクツマの小玉さんもよかったな。両バージョンともまさに屈強なメンツが集まってくれたなあと。あと中舘さんの青年海外協力隊リアリティが大好きだった笑

その中で劇団員がしっかりと光った公演だったと思います。サバンナ編では土屋伍長は初演から存在感が大きく変わったと思うし、藤堂には出逢った頃以来くらい厳しい演出をつけ、そしてそれに食らいついてました。
オアシスの宇田川伍長は言うまでもなく、特筆したいのは椎名の存在感の強さでした。私は彼女の芝居の今年ナンバーワンをあげたいかな。それくらいよかった。繊細な感情がダイナミックだった。

ゲリラ隊と呼ばれた若手の面々も頑張ってくれたな。毎度毎度思うことですが、こうやってたくさんの人たちのたくさんの作品の愛で、素敵な座組、公演になっていくのです。

「千葉と埼玉は喧嘩なんかしない」
やっぱり最後の伍長の演説はいいよね。あんなので世界が平和になれば越したことはありませんが、初演の時よりきっと観客はこの物語を身近に、肌触りのあるものとして感じられたんじゃないかと思います。それは世界の状況ですね。中盤の戦闘を終えた後の中舘さん、藤代君には「君の反応が観客の目線だよ」なんて話しました。

戦争のない世界でありますように。

今年一年振り返り⑦「最果ての星」

今年一年を振り返っています。あと4作品!

振り返り⑦
8月
アリスインプロジェクト
「最果ての星〜アリスインデッドリースクール外伝〜」

脚本と演出を担当しました。過去3回演出したアリスインデッドリースクールのスピンオフ的な後日譚。原作は麻草郁さんで、今作は私がけっこう自由に新作書き下ろししました。

実はこのホンかなり気に入ってるんですよね〜。毎年年末にやってる「俺アカデミー賞」で脚本賞をあげたいくらい。

元のデッドリースクール(本編と呼びますね)はゾンビでおかしくなり始めた世界の学校の屋上での少女達の物語。今作はそこから3か月後。舞台は郊外の美術館の屋上。本編と今作の1ヶ月ロングラン(2週間ずつ)は最初から決まっていたので、違う屋上での物語が面白いなと思い設定。舞台美術は、入れ替え仕込み日に床を塗り直し、SOSの文字を大きく書きました。

サバイバル生活3ヶ月目っていうリアリティを脚本でも演出でもずっと考えてた気がします。水道どうなってんのとか。電気は早々止まりそうですよね。今作では発電機でわずかばかりの電力はあるという設定にしました。ガスはプロパンガスを調達。後に爆弾となります。このあたりは早くからイメージしていたのですが、地味に水道とかトイレとか、描かない部分も全部イメージしないとなんかモヤモヤして、考えだしたら止まらないという笑。新しい世界を作る面白さがありました。ちょっと例えが違うけどシムシティみたいな。

たとえば地下ショッピングモールで生き延びたステルラ学園女子の辛さってハンパないでしょ。3ヶ月日の光も浴びず、おそらく風呂にも入れず(方法は分からないけど一度くらいは入れたような気がする。その時の喜びたるや)周りの大人は皆死んで、地下ショッピングモールを飛び出して屋上に人を見つける。とか。もうすごいでしょ。これは脚本より演出のほうが大変でしたね。なにより演じたキャストが一番大変だったろうなあ。でも、そんな世界観を描けたのは楽しかったです。

脚本として気に入ってるのは、冒頭の設定です。メインとなる北洋高校の生徒達は他県から来た学生で、主人公倫が唯一この街で生き残った(と思われてた)生徒だったいう設定。制服もひとりだけ違うし、冒頭で主人公の謎が分かりやすく提示されていきます。逆でも全然いけたんですけど、この設定がけっこう決め手になったかなあと。倫のキャラ設定はいわゆるダークヒロインというか、だからこその天才性とか、面白いキャラになりました。とはいえ演じるのは激ムズだと思います。倫を演じた酒井さんもその難しさを、いろんなコメントで言ったり書いたりしてましたが、よく演じでくれたと思います。酒井さんのパーソナルな力強さがあのキャラの推進力や天才性に繋がったと思います。

八坂さん演じる生徒会長にものすごく感情移入しました笑。そうだよね、リーダーって辛いよね、って。頑張ってるのに文句言われるよね、それが悪い歯車になっていろいろ裏目に出るよねって笑。演出家とか劇団主宰あるある笑。だからなのか、ゆーのさん演じるバト部部長との夜の二人の会話シーンはすごく気に入ってます。毎ステージ泣いてた。リーダーシップ取ってるやつが素直に見せる弱みっていいよね。

今作の肝は、舞台の上で生徒がノースマイル(ゾンビを今作ではこう呼んでました)になるという描写。攻めたホンだとは思いますが最初からやろうと思ってました。最初に稽古場でやった時、キャストのみんながガチで辛くなってて、いい座組だなと思いました。そのまま段取りじゃなくて「毎回心を動かして演じね。辛いだろうけどね」と言いました。最初のプロットでは八坂さん演じる生徒会長の八剣がその子を終わらせる(殺す)設定だったのですが、書き進めたら彼女には殺せませんでした。「無理よ、だってみんなで(頑張って生きてきた)…」って台詞は、劇シナでいうところの、キャラが勝手に喋り出した台詞でした。そしてその子を終わらせたのは栗生演じるベニシ、あ、違う、金属バットの女でした。初演から様々な人が演じてきたこのキャラ。僕も大好きなキャラクターです。彼女に大きな十字架を背負わせたなあと思いました。でも彼女ならああしただろうなという信頼?のシーンでもありました。
死んでいく実来を演じた梅原さんそらるるさんはいい芝居しましたね。Wキャストにこういう役所っていいんじゃないかな。

その重いシーンもあってか、その後、がーなさん演じるキリ、いやビデオカメラの女が会長を励ますシーンがとても好き。麻草さんにもそのシーンのキリ略の心情などを相談したなあ。この子、過去の記録を見せてって言われたらどうしますかね?とか。
麻草さんのアンサーは「街の景色を記録するだけでも意味がある」みたいな話でした。そのままキリ略の台詞に使わせてもらいました。

2010年(だったかな)にアリスインデッドリースクールを演出した時は、ゾンビものに1ミリの興味のなかった私が、まさかそんな世界観の話を書き下ろすことになるとは。

そしてそれは、めちゃくちゃ楽しかったです。
舞台写真全然撮ってなかった。
写真のパスタは私が自作したシェフの気まぐれ野草パスタです。作品中ではめちゃくちゃマズいという設定でしたが、

めちゃくちゃうまいです笑