今年一年振り返り①
今年は年末まで公演があるので、しかも新作だったので、毎年備忘録を兼ねて書いている今年一年の振り返りブログはできないかなと思ってたのですが、いろいろ順調で時間に少し余裕が出来たので、始めてみたいと思います。年明けたらやらなそうだしね。途中で年越ししたらごめんね。
今年のラインナップ
3月 松本プロデュース「FOUR.」
5月 劇団6番シード「Life is Numbers」
7月 UDA☆MAP「魁⭐︎パラダイムシフト」
9月 BE WOOD LIVE「密室」第2話「ハコの中身」演出
10月 松本プロデュース「one〜やがてひとつになる物語〜」
そして現在進行形の年末公演
劇団6番シード「文豪が多すぎる」
全5作品と短編演出1作ですね。少しゆったりとした一年でしたかね。今年の一番のわしトピックは松本プロデュースを2作品やったことかな。その1作目「FOUR.」から振り返りスタート!
松本プロデュースVol.3
「FOUR.」
2月29日(木)〜3月3日(日)
シアターKASSAI
4つの物語が同時に走る松本版熱海殺人事件のような超濃厚な四人芝居が作りたい!と思い立ち、屈強な演劇巧者の4人、石部雄一、椎名亜音、エリザベス・マリー、永石匠を召喚しました。まさに召喚と呼ぶべき物語で、タイプライターに書かれた文字(作中ではインクの染みと呼んでました)から立ち上がった物語の妖精?みたいなキャラクター(反逆者、皮肉屋、理論派、俯瞰人)が4つの物語を行き来しながら、タイトルに添えてあったピリオドを目指すという物語。説明むず!
メキシコパートは、1970年代メキシコ国境沿いの街でアメリカへの密入国を企む男達の物語。最終的にはアクションものみたいになった。石部雄一主演。
ベルリンパートは、19世紀ベルリンの由緒ある家で働くカタブツ家庭教師が、子供たちの悪戯から亡き夫への想いに気づく物語。コメディテイストからラスト感動、一番私らしいテイストだったかな。椎名亜音主演。
ヴェネツィアパートは、ヴェネツィア映画に参加してる映画プロモーターと若き脚本家の恋と映画の物語。ラプロマンスとかいっちゃん難しかった。永石匠主演。
香港パートは、2020年に起きた香港民主化運動に参加する大学生の目線で描かれる香港の騒乱。エリザベス・マリー主演。
こんな時事もの、社会ものを書くのはほぼないので、自分自身もヒリヒリしながら書きました。実はこの事件が起こる直前に香港旅行に行っていて、あのすごく幸せな街や優しい人達があんなに大変なことになってしまったんだと心揺さぶられておりました。そんな思いも少し込めました。
という4つの物語をオムニバスのように順番に見せるのではなく、ガンガンスイッチしながら同時に進んでいきます。4人は他の作品にも出ていて、てゆうか4人しか舞台上にはおらず、それぞれの物語と役を凄まじい速度と感度で切り替えていきます。演劇巧者と書きましたが、ご自身で演出や振付など絵作りをしてる人が多く、稽古場ではけっこう私指くわえて見てました笑。4人がここはこうしよう、このスイッチがきれい、とか、気がついたら絵ができてて「あ、出来ました?じゃあ見まーす」みたいな感じ。そんな屈強な猛者達をもってしても、毎ステージ開演直前まで台詞合わせをするほどの、自分で書いといてなんですが、本当に凄まじいホンでした。細川博司さんから「小劇場の脚本のレベルをこれ以上上げないで」と愛のあるクレームを頂きました笑
お気に入りのシーン(観客からの人気も高かった)は、ヴェネツィアパートでアキコ・ベネットとレオナルドがレッドカーペットでオーディエンスに手を振りながら「あなたとは昨年のヴェネツィアで終わってるの」といった元恋人同士の密談をする場面。こんな台詞もこの世界観じゃなければ書けないですね。
その後DVD発売イベントで、この4氏と「FOUR.でこんな物語が見たい」みたいなコーナーでわいわいやってるうちに、これマジで面白そうだし、すぐ執筆できそうなイメージ(この時はね)もあるし、ということで、
「FOUR.」の続編が決定しました!!
タイトルは「FOUR.〜flag the world〜」
4つの旗に隠された4つの物語とは?
来年上演予定です。続報をお楽しみに!
今年一年振り返り、次回は、
5月「Life is Numbers」です。