2024年振り返り④「密室」

  1. BE WOOD LIVE presents

「密室」

9月8日〜10日

下北沢亭

オムニバス3作品のうち「ハコの中身」という短編の演出を担当しました。脚本千歳まちさん。

まずこの公演のコンセプトは密室をテーマに描かれた短編作品をそれぞれ別の演出家が演出するというもので、他の話の演出は第一話「密室にまつわるエトセトラ(脚本・柴原麻里子)」がほりゆりさん、第三話「ミス・ホームズの婉麗奇譚〜縛〜」が脚本演出ともに牧野純基さん。過去に俳優としてご一緒した方々で、稽古場では最後の通し稽古あたりまでは別々でしたが、こうやっていろんな方の演出を覗きつつ一緒に作品が作れたのは、とても貴重な経験でした。一応私長いキャリアになっていますが、いつまでも新鮮な空気を吸っていたいものです。

「ハコの中身」

ある一室で女の子4人、エマ、エミリー、ランプ、ククラ、が仲良く暮らしている。実はそれは恵美という現実世界で生きる女性の妄想?だったのだが…。といった精神世界のお話。脚本の千歳さんはすごい世界観の物語を書くなと最初に台本を読んだ時に思いました。僕の感想は「ずっと怖かった」女の子たちが明るく会話しているのですが、ずっと得体の知れない雲みたいなものがかかっているイメージ。観客の受け取り方も様々だとは思うのですが、この怖かった印象をどれくらい表出させるかを演出としては悩みました。極怖ホラーにもできるし、耽美な百合系の雰囲気に落とし込むこともできる。でもあまり外から枠をはめてはまさに良くないと思い、キャストには「それぞれが自分が正しいと思ってぶつかり合ってほしい」と伝えました。そうやって稽古を進めるうちに、なんというか、ちょうどいい塩梅の空気感が出来上がったように思います。鶴田葵さん、安達優菜さん、葉月智子さん、三人ともちょうどいい久々加減で新顔の椿千優さんと合わせてとても新鮮に物語が作れました。

3話の「ミス・ホームズ」が私もホームズ好き、ミステリー好きということでとても楽しく観ていました。小菅さんはじめ長台詞は大変そうでしたけどね。と思ったら今年の春に長編で続編をやるみたいです。一観客として楽しみです。

次回振り返りは、

2024年振り返り⑤「one〜やがてひとつになる物語〜」

です。お楽しみに!

1月5日(日)22時ごろから、毎年恒例、2024年の俺作品を俺が表彰する完全俺企画「俺アカデミー賞2024」をツイキャスにて生発表します!お楽しみに

トムコラム