今年一年振り返り③ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

今年一年を振り返っています。

6月
OILAGE OSAKA &TOKYO
「ペーパーカンパニーゴーストカンパニー」
東京公演…シアターKASSAI
大阪公演…芸術創造館

東西の役者がコラボするこの企画ユニット、第三回となりました。大阪から早川丈二さん始め、大阪の人気劇団スタージャックスより浜口望海さんなどそうそうたるメンバーが。企画の性質上稽古期間は短く(大阪から東京に滞在して稽古する為)その稽古場は毎日ひりひりしてました。
キャストさんで振り返っていこうかな。

ヒロインの春子を演じた兵頭祐香さん。男前だったな~。なんだろう、太陽のような明るいオーラを持ってるんだけどいつもファイターだったなっていうイメージ。幾多の戦地をくぐってきた感があった(笑)千秋楽の翌日に京都でロングランをやっている「ギア」を観に行ったのですが、これが本当に素晴らしいステージで、千秋楽翌日に出演してるってのもそうだけど、このギアの立ち上げからずっとロングランをやり続けている強さとか、そういうのが兵頭さんのファイター感だったのかな。

浜口望海さん。すげえしっかりしてる人だと思ってたらみんなから「ポンコツやで」と教えてもらい、実際稽古したら全然ポンコツじゃないじゃんって思ったんだけど、本番直前あたりからポンコツ臭がし始め(笑)本番では何回かやらかしました。お茶目で誠実で素敵な大人でした。

緒方晋さん。最初に聞いたキャッチフレーズは「関西の野良犬」まじか、見た目超怖そうだし、とか思ってたら最初に稽古場で会った時に「野良犬じゃありませんから安心してください」と低姿勢(笑)
なんだろうこの人、味わいの塊みたいな演技はとても素敵なんですが、とにかく質問の虫でした。休憩中の喫煙所でずっと芝居の質問攻め、野良犬のアウトローな印象とは真逆の人でした。でも私生活というか芝居を離れるとまあグズグズですね(笑)あの丈二さんがまともに見えたよ。

東京からは椎名、宇田川、宮島小百合さんなどが参戦。椎名が6番シードで初舞台を踏んだのがこの作品で、今の芸名の由来となった田村亜音を宮島さんが演じておりました。若い宮島さんにはこの強烈な役者さんたちが刺激になったんじゃないかなあ。もちろん演技のとかいい意味ですよ(笑)
とにかくすさまじいスピードで進むこの演目は私の台本でも1,2を争う難易度と体力。4月のガムテでも大変だった椎名はここでも汗まみれとなっておりました。椎名の演じた楓という役は狂言回しのようでありながら実はボケ役。ツッコミが得意な椎名に「この役はツッコミのようでボケだね」と話した記憶があります。
宇田川さんがこの締めポジションに入ると本当に強い。早川さんとのWボランチ?は屈強すぎてこれがオイルの醍醐味だぜ、って興奮しましたね。絶対失点しない強さが彼女にはある。点取り屋でクラッシャーのようなイメージですけど違うんですよ。

そして主人公の陵を演じた福地教光さん。この陵という役はぜひ福地君にと思い、福地合わせで日程決めたくらい(笑)平凡で、でも影があって、不器用で、でも純真で、陵が春子の死因を語るシーンなど本当よかったなあ。
ラストの別れのシーン。これがこの作品が長くたくさんの方に愛されている理由だと思いますが、あそこの表情は陵も春子もよかったなあと思います。福地の涙に涙するわし。

オイルエイジはなかなか頻繫にやれない企画ではありますが、途切れさせることなく今後も続けていけたらと強く思った公演でした。次回はまだ未定ですが、楽しみにお待ちください。

あと飯島松之助君は好き(振り返り雑)

トムコラム