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- (4)
- “アイドル芝居”からの脱却
高橋明日香×松本陽一(1)
※2017年3月8日、都内某所にて
ドキドキしちゃう
(二人ベンチに座ってスタンバイ。しばし無言。)
- 高橋
- なんだろう(この間は)。
- 松本
- ドキドキしちゃう。
- 高橋
- ワハハハハハ!!おかしいでしょ。おかしいでしょ(笑)。
- 松本
- あのー、覚えてますか?前に宇田川さんち(6番シード宇田川美樹さん)で新年会だかなんだかで鍋をやったときに、僕らが先に来て、一緒に買い出しに行ったの。
- 高橋
- 覚えてます!
- 松本
- そん時のドキドキに似てる(笑)。
- 高橋
- アッハハハ!鍋の材料買いましたね。
- 松本
- 全然スーパー行ったことなさそうで。
- 高橋
- そう(笑)。どの野菜が安いとか全然分かんないし。
- 松本
- 完全に、おっさんが若い嫁捕まえたな、みたいになってて。
- 高橋
- アッハハハ!すごい空気流れてましたもんね。懐かしいなあ。
- 松本
- 何年前ですかね。
- 高橋
- 何年前だろう。UDA☆MAPやってたときぐらいかな。最初のUDA☆MAP。
- 松本
- アリゾナか。(2013年『アリゾナ☆侍☆ガールズ』)
「あすぴー」の由来
- 松本
- じゃあ、始めますか。
- 高橋
- はい。お願いします。
- 松本
- よろしくお願いします。
あのー、今日、なんて呼びましょうかね。
稽古場で一緒にやってたら、高橋さんとかですけど。
- 高橋
- あ、そうですね。
- 松本
- なんか、まだ「あすぴー」と呼ぶのは慣れていない気がするんです。
- 高橋
- ウフフフ。嘘でしょ(笑)。
- 松本
- いや、わりとそうですよ。なんかちょっと恥ずかしいというか。
- 高橋
- ボクラ団義の久保田さんにも同じこと言われましたね。なんか、あすぴーって呼ぶのはハードルが高いって。
- 松本
- 「ぴー」がね。
- 高橋
- アハハハハハ(笑)。
- 松本
- あれ、どういう由来なんですか?いつから呼ばれたものなの?
- 高橋
- 私、いままであだ名があんまりなくて、明日香とか明日香ちゃんとかしか呼ばれたことがなかったんです。
でもこの仕事始めるにあたって、ブログを開設しようってなって。“なんとかブログ”って、ちょっとやりたいなって思って。
- 松本
- はいはい。
- 高橋
- そんときに、“明日香ブログ”とか“高橋明日香・ブログ”みたいな感じだとなんか固いし。
- 松本
- 固いね。
- 高橋
- なんかこの際ちょっとあだ名決めれば、みたいな。で、自分でいろいろ考えて「あすぴー」だなって。
- 松本
- おー。
- 高橋
- “あすぴーブログ”ってつけたんですよ。
- 松本
- 自分発信なんですね。
- 高橋
- そうなんです。そしたら自然とみんながあすぴーって呼んでくれるようになったんですよ。
- 松本
- あー。なんか呼びやすい感じはありますね。
- 高橋
- ええ。
- 松本
- じゃあ頑張ってあすぴーって呼んでみましょうか。
- 高橋
- アハハハハハ(笑)。いいですよ、高橋さんでも。
- 松本
- 途中、高橋さんになるかもしれないけど。
- 高橋
- (笑)。
初めて会ったときのこと
- 松本
- さて、この対談企画も今回2回目で、前回が演出・脚本家の久保田さんだったんですけど。
- 高橋
- はい、読みました。
- 松本
- 今回は、俳優さんか女優さんがいいな、と思って。パッとあすぴーを思い浮かべたんです。
- 高橋
- ありがたいですねぇ。
- 松本
- たぶん、歴史があるからかな、と。
- 高橋
- あぁ。
- 松本
- ちょうど、一緒に歩んできた、じゃないけど(笑)。
- 高橋
- (笑)。
- 松本
- 出会いの話とか、今思っている女優論みたいなこととかを話してみたいな、と思ってお呼びしました。
- 高橋
- はっ!嬉しいです。
- 松本
- あのー、この対談はなんらかゲストさんにゆかりの場所がいいなと思ってて、今日は御茶ノ水にしました。覚えてます?
- 高橋
- はい。
- 松本
- 初めて会ったのがこの公園の近くにある稽古場で。
- 高橋
- はい。そうですね。
- 松本
- 僕が劇団以外の仕事をやった、ほぼ初めての現場で。(2010年『アリスインデッドリースクール』)
- 高橋
- あ、そうだったんですか?へぇー。
- 松本
- で、「今日、女優さんやアイドルさんをいろいろ面談します」っていう、(あすぴーを指さして)一番手だったんです。
- 高橋
- あ、あたし一番だったんですか?!
- 松本
- 一番だったんです。
- 高橋
- そうなんだ!
- 松本
- それ、すごく覚えてて。
- 高橋
- なるほどー。
- 松本
- 覚えてます?
- 高橋
- めっちゃ覚えてます。
- 松本
- あ、そうなんだ。
- 高橋
- 私もWikipediaとか見て、会ったのいつだったのかなあ、とかいろいろさかのぼってみて。あれが5本目の舞台だったんですよ。
- 松本
- はいはい。
- 高橋
- デビューが朝倉薫演劇団のところで。今のアリスインプロジェクトの鈴木さんには、もうその頃からお世話になっていて。
- 松本
- はいはいはい。
- 高橋
- 次に、女神座さんってとこに出て、その後が松本さんだったんですよ。
- 松本
- なるほど。
- 高橋
- で、私、今まで演技経験とかなく、いきなり初舞台だったんで、初舞台の時のオーディションでホン読み(台本を声に出して感情を込めて読むこと)をさせられた時、くっそほど下手だったんですよ。
- 松本
- つまり、まだ練習もしたことがないとか、そういうレベルですね。
- 高橋
- そう。初めて台本というものを読まされた。
- 松本
- 初めて演じてみたって、ことでしょ。
- 高橋
- そう。「とりあえず、演じるとか考えなくていいから大きな声でしゃべってください」って言われて。
- 松本
- フハハハ(笑)。
- 高橋
- バーッ、って読んで、ウチのマネージャーさんが(頭を抱えながら)「ひどいな」みたいな感じになったんですよ(笑)。
そこから4本舞台やらせてもらって、私にとって2回目のオーディションだったんですよ。
- 松本
- あ、そういえば、ホン読み少しやりましたね。
- 高橋
- はい。私も超緊張してて、(胸に手をやり)はぁ!はぁ!ってなってました。
- 松本
- そうか、あれ配役決まってなかったのか。
- 高橋
- そうです。
- 松本
- 僕が決めたんだ。じゃあ。
- 高橋
- (うなずく)
- 松本
- あの、すの…。保健委員の。
- 高橋
- そうです。巣宮春奈(すのみやはるな)です。
- 松本
- うん。巣宮春奈。
僕もなんかすごく覚えていて…。外部での仕事がほぼ初めてだったので、僕もちょっと緊張してるわけですよ。で、最初に来た子が、高橋さん、あ、高橋さんって言っちゃった。
- 高橋
- (笑)。
- 松本
- 正直ね、すげえ可愛い綺麗な子が来たって、思ったんですよ。
- 高橋
- おー!嬉しい!
- 松本
- 今日この話から始めたかったのは、その後いろいろ僕ら歴史があるじゃないですか。
- 高橋
- そうですね。
- 松本
- すげえ可愛い子が来て、さぞ有名な子なんだろうと思ったんですよ。
- 高橋
- ほぉ。
- 松本
- そしたら、ダブルキャストという話を聞いて、この世界のヒエラルキーってすごいなって思ったっていうのが最初の印象で。あと、他の子に比べたらやっぱりちょっと上手かったなとか、おっ、って思う部分があって。すごく覚えてるんですよ。
- 高橋
- へぇ、そうなんですか。自分では、なんかもう全然うまくできなかったんで。
- 松本
- あれが…2010年ぐらい?
- 高橋
- そうですね。
- 松本
- 22歳の時?
- 高橋
- はい。そうです。22歳ぐらい。

『アリスインデッドリースクール』(2010年)
左から2番目があすぴー演じる巣宮春奈
(つづく)