高橋明日香×松本陽一(2)
この世界に入ったきっかけ
- 松本
- この世界に入ったのって、スタートは何だったんですか?
- 高橋
- もともと芸能界っていうものに漠然と興味があったんですよ。
でも、始めるきっかけって良く分からなくて。青学 に通ってたんで、渋谷とか歩いてたらスカウトとかされんのかな、みたいな。
- 松本
- なるほど(笑)。
- 高橋
- なんかそんなイメージあったんですよ。漠然と。
でもまあ、通えど、スカウトはされず(笑)。
で、大学3年ぐらいの時かなあ、ウチのお姉ちゃんがアパレルで働いてて、そのアパレル会社がモデルオーディションを開催するっていうのがあったんですよ。
「明日香、写メでエントリーできるらしいよ」って言われて。「あ、写メならいけるかも」みたいな。で、盛った写メを撮って。
- 松本
- 盛ったんだね。
- 高橋
- あ、盛りましたね(笑)。
- 松本
- 普通盛るよね(笑)。
- 高橋
- 「どう、お姉ちゃん、これ盛れてない?」「いいじゃん!送ってみなよ!」ってお姉ちゃんが言ってくれたから、送って。
そしたら、その開催してる会社の人が、「ウチでちょっと登録モデルとかやってみない?」みたいな感じになって。
- 松本
- へぇ。
- 高橋
- それからしばらくWebの登録モデルみたいなことをやってたんです。
- 松本
- スタートはモデルさんっていうことですね。
- 高橋
- そうです。そのオーディションもファッションショーみたいな感じで、ランウェイを歩くみたいなやつがあって。それでレッスンとか受けさせてもらって。そこから始まったんです。
- 松本
- 肩書が面白いというか難しいというか、今も「あすまい」で芸人さんって言われてるし(笑)。
- 高橋
- そうですね(笑)。
- 松本
- アイドル活動もやったりしているし。
- 高橋
- うんうん。
- 松本
- 大きく言うと女優なんですけど、活動が面白いなあと思っていて。
女優に、っていう意識はどう芽生えたんですか?
- 高橋
- しばらく登録モデルをやっていた期間に今のマネージャーさんと出会えたんですよ。私がほんと今までなにもやってこなかったから、どんなことができるか色々試したいって言って、受けさせてくれたのが舞台のオーディションだったんです。
- 松本
- ああ、とりあえず大きな声で読めって言われたオーディションね。
- 高橋
- そうです。本当にこの子にお芝居のセンスがあるかどうかとか、いろんなことを試させて、向いているところを伸ばそうみたいな。
- 松本
- うんうん。
- 高橋
- で、初舞台を訳がわからないままやらせてもらって。私は楽しいとか分からなかったんですけど、必死すぎて。本番ももう頭真っ白になるぐらい緊張したし。
- 松本
- 僕もねえ、役者で初舞台やった時は、真っ白としか覚えてないぐらいですね。
- 高橋
- そうですよね。
でも、ただただ達成感があったんですよ。あたしやり切ったな、みたいな。
それで、「次もこういう話あるけど出てみる?」ってなった時に、「やりたいです」って答えたんです。
ここからが私のターニングポイントで。
- 松本
- おー、ターニングポイントがさっそく来た。
最初のターニングポイント
- 高橋
- そうなんです。初舞台から半年後、主演の話が来たんですよ。ダブル主演だけど、一応主演でやらせてくれると。
ただ、その時期がちょうど大学4年の卒業間近だったんです。
- 松本
- なるほど。
- 高橋
- 私は就職活動もしてて。親的には、絶対就職してほしいって。
- 松本
- ああ、就職か主演かっていうような。
- 高橋
- そうなんです。
- 松本
- 面白いね。
- 高橋
- でも私は、やっぱ絶対こっちの世界をやりたい!って思っちゃって。
「この舞台、私死ぬ気で頑張るから、それを観て就職させるか、私をこっちの道に進ませるか考えてくれ」って、すごい頼んだんですよ。
- 松本
- 親御さんに。
- 高橋
- ええ。親に。
だから、その舞台が私の勝負所で。これで本当に「お前絶対やめた方がいい」ってなったら私も諦めて、就職活動を再びするから、って。で、必死でやったんですよ。下手くそながらも。
- 松本
- ちなみに劇場はどこだったんですか?
- 高橋
- みゆき館です。銀座の。
- 松本
- はいはい。渋いとこですね。
- 高橋
- そうなんです。みゆき館で主演舞台をやらせてもらって。
それでもう説得したっていうか。納得させたっていうか。
- 松本
- 親御さんは納得してくれたんだ。
- 高橋
- そう。なんか、親的には演技のいい悪いはわからないけど、とりあえずこんなにすごい量のセリフを噛まずにスラスラ言えて、ただただすごいなって思ってくれたんでしょうね。
- 松本
- へえ。
- 高橋
- 本当に頑張ってたんだなとか、こんなに本気だったんだなみたいなのを。
- 松本
- でも、本気が伝わったんでしょうね。
- 高橋
- そうですね。もう何も言えなくなって。
あと、ウチのマネージャーさんの説得もすごいあって。親に頼み込んでくれたんですよ。
- 松本
- それはすごいね(笑)じゃあその舞台が最初のターニングポイント。
- 高橋
- はい。
- 松本
- そのちょっと後ぐらいに、僕と出会ったというか、作品で一緒になりました。
- 高橋
- はい。
- 松本
- アリスインプロジェクトの第1回公演ですかね。
- 高橋
- ええ。私的にすごい、ほら…、場所が六行会ホールだったじゃないですか。
- 松本
- はい、はい、はい。
- 高橋
- こんなおっきい劇場に私が出れるんだっていうので、すっごい緊張して。
オーディション次第では出れないかもしれないみたいなことを言われていたから。
- 松本
- あー、なるほど。
- 高橋
- だからもう、絶対ここだけは出たい!と思いながらオーディションしてました。
- 松本
- あのー、オーディションしてる側の僕も緊張してるから、間が持たないんですよね。
面談の中でちょっと読んでください、って方式で、がっつりしたオーディションじゃないじゃないですか。
- 高橋
- うん、うん。
- 松本
- だから深く演出で掘り下げるわけにもいかず、声と雰囲気を聞いて、この役だなあ、とか。
もっと下手な人が山ほどいましたからね。
- 高橋
- ハハハハハ。
- 松本
- 「わー!」って驚くセリフも、それこそ棒読みだったり。とりあえず大きい声どこまで出ますか?みたいなことを聞いたりね(笑)。
- 高橋
- (笑)。
- 松本
- まあまあ上手かったと思いますよ。
- 高橋
- いやいや。
- 松本
- 終わった後の印象で、高橋明日香っていう人は、ああちょっといいな、っていう風に思って終わったんです。
- 高橋
- あー、ほんとよかったです。
(つづく)