今年一年を振り返っています。
4月
feather stage
「テンリロ☆インディアン」
シアターKASSAI
コルコネを終えてほどなく、というか翌日からこちらの稽古場に合流。そういえば事前に少しずつ稽古を進めて、稽古動画を編集して共有したりしたなあ。そして残り2週間がっつり集中稽古だったのでした。最近コロナもあってこういう短期集中稽古スタイルが増えてきたように感じます。リスク管理とかコスト削減とかあるんだとは思うのですが、間に合う間に合わないの物差しでは測れないものが、演劇にはあるんだよなあ。自戒を込めて。
キャストのみんなはチームワークよく本当に頑張ってくれました。
この作品の歴史も古く、かつちょっとだけややこしく、初演は劇団6番シードで2003年(20年前!)で、展開や結末が違うボーイズ版とガールズ版の2本同時公演でした。そういや、昔はよく2本立てW新作やってたな。人生ガムテとか。すごいなわし。
そして2009年に両バージョンの再演。その後2016年だったかな、6C番外公演として男女混成バージョンを上演。この時の台本のベースはボーイズ版。そして今回の再演はガールズ版の台本ということで、ガールズ版は2009年以来ということになります。ちなみにこの時のボーイズ版に入団前の藤堂瞬がゲスト出演しています。
と、あらかた歴史をおさらったところで、このボーイズ版とガールズ版何が違うかというと、職業や設定などいろいろキャラ違いもあるのですが、一番は起こる事件と犯人が違うのです。カンザスの田舎町で逮捕勾留された9人の日本人。ボーイズは銀行強盗で、犯人は最初に留置所に連れてこられた英語の喋れない銀行員。ガールズ版はショッピングモールで起きた宝石店強盗で、犯人は英語ペラペラでお惣菜屋をやってる現地の日本人。それぞれ対の役があるので、両方観た方はその違いを楽しむといった趣旨でしたね。
そして今回の犯人を演じたのは千歳ゆうさん。良かったですね〜。この橋本蓮という役は笑顔でおっとりと毒を吐きながら、時に捕まってしまった若者達を励まし、そしてラストに笑顔で事件の真相を独白する。英語も堪能で、ハマり役でしたね。気持ち良く騙してくれました。
ホステス役の長谷川麻由さん夏目珠紀さんもこんなコンビいそうって感じが良かったですね。稽古場を引っ張ってくれました。そして主演の関根奈々葉さんはなんと初舞台。初舞台でこのホンはなかなかや。いや相当や。稽古場で真っ直ぐに真っ直ぐに台本と向き合ってましたね。これやれたら、あと何来ても大丈夫よ笑。
公演の中日くらいにふと、「この脚本はこれで最後かな」という想いがよぎりました。芝居がダメだった訳でもなく、ちょっとカッコよく言うと、
星が役目を終えた。
みたいに思いました。こんな感覚は初めてです。もちろん脚本というのは、誰かの手によってでしか輝かないので、今後まだ望まれれば再演があるかもですが、私の中では、長いこと頑張りましたねって感慨深い気持ちになりました。
テンリロくんテンリロさんお疲れ様でした。ありがとうね。
次回は
7月
UDA☆MAP
「Dressing Room」
です。お楽しみに!