今年一年振り返り⑦「屋根裏のバーニャカウダー」

今年一年振り返りもあと2作品!

10月
劇団6番シード結成30周年記念公演第2弾
「屋根裏のバーニャカウダー」
シアタートップス

まずは、私ら世代はシアタートップスでついにやれた!っていう憧れの劇場でした。三谷幸喜さんの東京サンシャインボーイズとか、僕はラッパ屋さんかな。その後一回名前が変わってお笑いの劇場になり(その時劇団員の増野が芸人として立っている!)再びトップスの名に戻ったのでした。初めて下見させてもらった時に、舞台に奈落(床下)があるのを知り、早速今回の屋根裏部屋というシチュエーションを思いつきました。トップス良く観てるぽいお客様の感想を読んだのですが、どうやらけっこうな頻度で奈落ハケ舞台があるらしい。みんな考えること同じなんすね。

4月のコルコネで、テンポ感というか、無駄のない展開というか、をかなりやれた気がしたので、この脚本は少し遊びというか、どーでもいいようなシーンも入れたいなあと思って挑んだのですが、それはそれで難しいですね〜。しいてあげれば「古今東西非嫡出子あるある」のシーンですが、それも脱線したシーンのつもりで書いてはないですしね。ゆるく面白い、は難しいなあ。

この公演の主演は、コルコネの劇団員トークショーイベントでじゃんけんで決まるという狂気の沙汰でしたが笑、わりと前から藤堂と小沢のW主演みたいなイメージがあり、じゃんけん藤堂が勝ったので、マジで良かったです!言い出しっぺでコルコネ主演の宇田川さんが勝ったりしたもんなら、全力で止めてたと思います笑。じゃんけん選抜の裏側でした。

親子ものと言っても、父と子って実は難しいのかも。だって話さないんですよ、男同士なんて。これは脚本書き始めてからはたと気づきました。会話してくれよと。舞台は会話してなんぼやと。母と息子、父と娘の物語が多いのは、そういう側面もあるのかも知れないですね。

30周年記念公演ということもあり、今まであんまりやってなかった形でもあり、劇団員を家族側にして、ゲストさんを物語でもゲスト側にしました。藤堂と椎名の夫婦、高宗の妹とか良かったんじゃないかな。3人にはとにかく芝居芝居しない芝居を追求しました。バーニャカウダーが小沢さん演じる亡き父親に変わるという大技もあるんだけど、すうっと物語を始めて、すうっと終われないかな、みたいなイメージはありました。大人の芝居というか。トップスで若い頃に観たラッパ屋さんの幻影があったかもですね笑。

サブキャラが濃かったな。まずは来夢来人のママ舞川さんですよ。コメディショーから続いてでしたが、この人なんかスイッチ入ってるよ。
そして、チャオソーレの社員で唯一幽霊?の樋口が見える存在の澄華あまねさん。ほとんどコメディはやったことがないと言ってたと思うので、おめでとうございます、コメディエンヌ大開花です。元宝塚の身体能力のポテンシャルを全身で笑いに振るとああなるんですね。いやーお見事です。またコメディやりたいですね。
僕は普段と言うか、ずっと小沢さんには厳しいと言うか、辛口というか、で長い付き合いなのですが、今回の小沢さんは良かったな。ようやく、というと変ですが、大人の男の色気が出たような気がします。外食チェーン店の経営者の品格があり、でも隠し子とかいるダメな男。プロローグのト書きに「にへらっと笑う」というのがあるんですが、それはそういう人生が見えないと笑えないのです。藤堂とのコンビも良かったと思います。

日替わりゲストさんも華を添えて頂きましま。総勢16名!
日替わりMVPコンビは…夢麻呂さんと渡邉結衣さんコンビですかね。ずっと観ていたい親子でした。

千秋楽に、30周年の最後なので、ダブルコールで舞台挨拶させて頂こうと出ていったら、ファン有志の方からバラの花束を頂きました。そして舞台監督の澤井さんからおめでとうの横断幕が。なんのひねりもないですが、めちゃくちゃ嬉しかったです。ありがとうございます。


その時話した言葉を、今後の活動の私のど真ん中に置いて頑張っていこうと思いました。

「毎公演、毎ステージ、毎分毎秒、面白い物語を作ります」

頑張ります。

次回は振り返りラスト
土矢兼久一人芝居「おとこのはなし」
です。お楽しみに!
松本プロデュースVol.3「FOUR.」もよろしくね!

トムコラム